高血圧とは
心臓はポンプのように伸縮することで血管に血液を送り出しているのですが、その際に血管にかかる圧力を血圧と言います。血圧には収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)があり、最高と最低の数値をそれぞれ測定します。この血圧が慢性的にある一定の範囲を超えて高く維持されている状態が高血圧です。
高血圧と診断される数値は、外来時の測定で最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合です。血圧の高い状態が続くと、血管壁が圧力によるダメージを常に受け続けることになります。これにより血管壁が厚くなったり、硬くなったりすることで動脈硬化の原因となり、さらに狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などの疾患も起こしやすくなるのです。
なお原因については、はっきり解明されたわけではありませんが、遺伝的要因、食事での塩分の摂り過ぎ、嗜好品(タバコ・お酒など)の過剰摂取、運動不足や精神的ストレスなどの環境要因が重なることで引き起こされると考えられています。
治療について
高血圧の治療で最も大切なのが食事療法です。まずは食塩摂取量を1日6g未満に抑えて、栄養バランスの摂れた食生活に努めます。次に適正体重の維持です。肥満は心臓の負担につながりますので、適正な体重(BMI25未満)に戻し、適度な運動(1回30~60分以上、週に3回以上の有酸素運動)を継続的に行うようにします。
上記の治療法では改善効果がみられない場合は、薬物療法が用いられます。高血圧の治療薬は全部で5種類ほどありますが、ひとつの薬で血圧が十分に下がらない場合は、複数の薬を組み合わせて処方されることがあります。